筆を育てる



個展準備を進めながら、まだまだ制作の日々です。


先日描きながらふと、今回もこの筆が功労者だったなぁとしみじみ。

こちらです。



この2本の筆、どちらも「面相筆」と呼ばれるもの。

眉や目などの細かな描写で使われることから「面相」。
細い線描を得意とします。



画像はその面相筆が「チビた」状態。

筆は消耗品で、少しずつ筆先が摩耗していきます。
粗い岩絵具の上を滑らせるとなれば、その獣毛はどんどん擦り減り
こうした毛先の短い状態に。




もとはこうしてシュッとしています。


毛先の1本を使えば極細の線が描けます





最初の画像のチビた面相筆。
一見、使い古された筆ですが、私にとってなくてはならないものです。


細かなぼかしをする時、この毛先の短くなった面相筆が大活躍。
特に右の茶軸のものはコリンスキーの毛で硬く、コシがあり
岩絵具をこそげるようにぼかす時はこれが一番使いやすい。


同様に、摩耗したものをぼかし筆として重宝している方は多くいます。
中にはそのために大事に「育てている」方も。



今回の展示のための制作で、コリンスキーの面相はまた一段と短くなりました。

感謝しつつ、また後継者を育てねばなぁと思っています。




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