
9月の個展の下図は、
はじめから「色」で作るものが多くなってきました。
これは私にはめずらしいことです。
いつも鉛筆でイメージを炙り出すように描くことが多い。
それもあって、
色をつける段になっても、どこかグレー調だったり
白と黒、白と青といった明度で構成するものが多いなと感じています。
白黒青というのは、水とも相性が良いので余計ですね。
たとえば先の個展ですと
色をつける下図の前に、鉛筆で作ったものがあります。

もう少し詰めていけば鉛筆画のジャンルに入るのかもしれません。
硬めの紙に鉛筆が刻まれるようにのっていく、
その粉の硬質な黒さは
私が好きな色の先頭に立っています。
こんなことを思ったのも
何かネタはないかと(笑)、過去の下図や下図になりきれなかったものを見返していたから。
せっかくなのでこのウェブサイトにもまとめてUPしています。
下記リンクよりご覧いただけます ▽▽
モノクロームの世界や版画のお好きな方には
作品以前のこの一群も、お気に召してもらえるかもしれません。
ここから1本の線に清書していくこと、
色を乗せていくことは、どれも、より抽象性の高い行為です。
まだ荒削りなこの状態に魅力があるとすれば
それは、原始的・プリミティブなものによるのでしょう。
そう思ったとき、いま作っている「色からはじまるエスキース」は
また違う景色を見せてくれるのだと、いよいよそんな風に感じています。
