
「顔彩(がんさい)」という画材をご存知でしょうか?
普段、私が制作で使用しているのは、水干絵具や岩絵具という「色の粉」です。
それを膠液と練り合わせて、絵具にするんですね。

チューブから、えいっと出して描いている人からは「手間のかかる」と思われてる日本画の画材。
使っている人間からすると、もう慣れてしまっているので案外気にしてないものです(笑)
それでも、やっぱりすぐに描ける、色が塗れるのは嬉しいもので、日本画画材にも簡易なものがあります。
それが「顔彩」。

色の粉と、接着剤(膠やアラビアゴムなど)がすでに練り合わされています。
これを水で溶くと、色が塗れる。
基本的にこれは「簡易のもの」。
スケッチや練習、下図に使うことが主な目的です。
耐候性、つまり「色がどれぐらい保てるか」。
ここが比較的弱いんですね。
保管状況や何に塗るか。
薄く塗るか濃く塗るかによって変わってきますが、水を多めで塗った場合は、絵具に含まれる色の粉「顔料」が少なくなってしまうので、退色までの日数も短くなります。
というのもあって、私はぜんぜん使ってこなかったんですが。
どのぐらい退色が速いんだろう…と気になり、ちょっと実験。


一緒に水干絵具verも作れば良かったのですが、とりあえず顔彩だけでの実験です。
キキョウ2枚と、色分けしたものの半分を紙で覆いまして、それを窓辺に吊るす。
太陽光をしっかり浴びさせます(笑)
普通、絵を飾る時は直射日光を避けますけれども、極端な試験ということで。
もう1枚のキキョウは日が当たらないところで保管。
早くも10日過ぎたあたりで、紫色に変化が出てきました。

キキョウの方はあまり変化なし。
塗り重ねているので、それで保ちが良いのかもしれません。
水彩画の名作の色が褪せきらずに残っている大きな理由は、おそらくこの3つ。
・適した手法(塗り重ね、適切な水分量)
・良質な絵具(含まれる顔料が多く、褪せにくい原料のもの)
・良好な保管状況
なるほどねー、と思いながら、耐候試験を続行中。
それと並行して、小さな作品を模索しています。

墨流しやスタンピングなどなど。
ポストカードサイズの小さな絵を作ろうとしています。
軽やかで、でも1枚ものの手描き原画。
先の個展「夜のひとひら」の技法を活かした青い絵とか



石の絵とか。


これらは顔彩で着彩。
こういう時にはやっぱり早くて重宝します。
とはいえ、本制作ではやはり水干絵具を溶きそうな。
そちらの耐候試験もやってみて、材料ともども決めていきたいと思っています。

ピンバック: 気になる・絵の経年劣化|材料の使い方 | 画家 高井みいる:MIIRU TAKAI Official Website