
綿100%の布に、膠と絵具で描く方法を模索中。
一旦メドがつきましたので、その工程と使った材料などを、つらつら書き留めました。
こちらのページでは「綿布への着彩」について。
使用絵具
- 膠(板膠8g、水100gの濃度のものを使用)
- 墨(古梅園「梅花墨」)
- 胡粉(ナカガワ胡粉「白壽」)
- 水干絵具(黄土淡口、青白緑、濃黄、紅梅、美緑青、鳩羽鼠、黄朱)
- 岩絵具(山吹11、草緑10、黄茶緑9、黒群緑10、裏葉緑青 白、松葉緑青13、紅梅9)
使用した筆
- 純則妙(小)/喜屋
- イタチ面相2/喜屋
- 平筆5/不朽堂
- 茶軸コリンスキー面相(中)の古筆…ぼかしに使用
ここからは普通の制作。
基底材の実験も兼ねているので手順はシンプルにしました。
社寺の彩色でやっていたような、古典的な工程をベースにしています。
自分の「作品」のようにやると後から振り返った時にちょっと検証しづらいので。
確かめたいポイントはこちら▼
・ 線描の具合
・ 墨の発色
・ 胡粉の発色
・ 濃い色の発色
・ 淡い色の発色
・ ぼかし
・ 岩絵具の定着
「まぁ、花を描くのがよかろう」ということで、赤と白の花を描くことに。
ちょうどアトリエ近辺にサザンカとワビスケが咲いていたのでそちらにしました。
手順
① 下描き(鉛筆で直接スケッチ)
② 骨描き
③ 隈取り
④ 胡粉で照り隈、下塗り
⑤ 水干絵具で着彩
⑥ 岩絵具で着彩



スケッチの鉛筆はFを使用。
骨描きのあと、練り消しで気になるところを消しましたが、その後の着彩など特に支障ありませんでした。



次は隈取り。
墨をぼかし入れていきます。



墨が乾いたら、胡粉で照り隈や下塗り。
ここでちょっと胡粉の発色が悪く、紆余曲折ありましたが、胡粉を溶きなおして無事発色しました。





発色を良くするには、全面に胡粉を引いておく方が良いと思います。
今回は、下塗りなし・ありの差も見たかったので、部分的に施すに留めました。
次は水干絵具。







上がサザンカ、下がワビスケです。
サザンカの色、下塗りのオレンジの色は良かったのですが、塗り方が大ざっぱで花弁の波打ち感が出ず、ちょっと細かめに下塗りを加筆しました。
この後、岩絵具で仕上げつつも、ちょこちょこ水干絵具も塗っていきます。








描いているとだんだん「もっともっと」となるので(笑)、ひとまずのところで試作完成です。






所感
描いている感じとしては、フツーに描けました。
特に定着に不安を感じることなく、塗り重ね、ぼかしが出来ています。
発色も、濃い色・淡い色ともに問題なく。
ぼかしやすさ、ぼかしの滑らかさは布物特有で、紙とは違った味わいが得られます。
気になるとすれば織りの目の目立ち方、生成りのカスでしょうか。
目に関しては、完全に潰し切るような下塗りをすれば消えますが、活かしたいか消したいかは作品によるところかなと思います。
特に何もしないで描く分には、和紙とは違って目がずっと出ている状態です。
目を活かすなら、箔押しも面白いと思います。
カスについては、描いている時は「あれ、ゴミ?」と思って何回か取りそうでしたが(笑)、こちらも完成作品として見たときに、違和感を持つかどうかは作品によるかと思います。
今回のちょっとカジュアル・素朴な感じの作品だと気にならないなと思いました。