昨年の初個展に続き、2025年は神戸・トアロードにて絵画展を開催いたします。


本展に関するお知らせは、順次こちらのページにて掲載して参ります。
開催までの道のりをどうぞお楽しみください。




会場はこちら、トアギャラリーさま。

トアギャラリー

場所は神戸市中央区、旧居留地と山手の異人館を結ぶ伝統あるトアロード沿い。
「世代をこえたアートの誕生」をコンセプトにされています。




今回は「花」をテーマに、20点ほど描き下ろします。

秋の実りや香りを感じながらどこか儚い、そんな光景をお届けできましたら。




新しい出会いと嬉しい再会。
そうした場所を神戸でもご用意できますよう、誠心誠意はげんで参ります。







髙井みいる 絵画展 花たずさえて(仮題)

  • 会期:2025年9月13日(土) – 9月18日(木)
  • 時間:11:00 – 19:00 ※最終日は15:30を予定
  • 会場:トアギャラリー1階(神戸市中央区・トアロード沿い)


* 材料や道具につきましては「絵具・道具の用語集」ページにて。あわせてご覧ください。

2025.5.18

パネルへの張り込み

パネルに紙を張っていきます。


パネルのフチに糊をつける。
水で濡らし完全に伸びきった和紙を張り込む。


「水張り」と呼ばれる工程です。


こうすることで
絵具を乗せても和紙がボコボコと“暴れる”ことはありません。


パネルを拭く
フチに糊をつける
水で濡らした紙を張る



描き方によって、ゆるめに張り込むこともありますが
私はしっかり張り込むタイプです。


角はこんな風に余ります


最後に、角の紙を折りたたんで糊で貼ります。


こんな風に余っているのを
たたんで
綺麗に折り込む


糊で貼った後、余っている紙を切り取ります





綺麗に収まるたたみ方ですが
和紙の厚みによっては、見た目が少し不格好になることも。

そんな時はもうひと仕事。



重なりが多い部分の和紙
刃を入れて開きます
こうした感じで切り取る
糊をつけて
貼る
厚みが減ってすっきりします




額縁なしで展示する作品や
小さなものはパネル側面の始末も目につきます。


他の画家さんの展示で勉強させてもらうことも多々。


こうして張り込みを済ませたら、ようやく画面の出来上がりです。




Instagramでは大きな作品の「水張り」をUPしています。
この動画を撮っている時、
えいやっと紙を上手にひっくり返せて、とても安心しました(笑)

2025.5.12

紙の仕込み

下準備が出来てきました。

草稿が終わっているものから描いていきます。

パネルに和紙を張り込んでいきますが
その前に仕込みをするものもいくつか。



前回の個展制作でも登場した「墨のもみ紙」を作っていきます。



前回個展時のもの。右2枚は麻紙そのまま、中央・左は墨の仕込みあり。



材料も作り方も前と同じですが、
今回は600×1500mmの大きめ作品に使います。


作品のイメージに合わせて、墨の仕込みもすこしコントラスト強めに。


前回より細かめに揉み込みました
引きで見ると、強めのまだらです



生紙をもんで、そこに墨をにじませて、
アイロンをかけて紙を平らにし、滲み止めをほどこす。


このやり方もだいぶ板についてきました。


今回は、この紙に初めて「樹」を描きます。
どんな風になるのか楽しみです。




Instagramにて仕込みの様子をUPしています。

いつものことながら、雲肌麻紙を揉み込むときには
ドキドキと「綺麗な紙肌なのにごめん!」の気持ちでいっぱいです;;

2025.5.5

草稿

エスキースもだいたい描け
パネルが届いたということで
「草稿」=下図を作成しています。


「草稿」は輪郭線のみを描いたもの。
本画制作の際に、その線を写して使う線描図です。


線を写した後も、草稿を見て形を確認したりと
絵の構図やモチーフの形がくずれないようにするための図面。

原寸大で形を一度決めてしまうのは、何かと大事な工程です。




ですが、私は線描だけで済まない「草稿」をよくよく作っていまして

たとえばこちら。



昨日つくっていた草稿





わりとガシガシ鉛筆で調子をつけています(笑)



着彩をしっかりする方もいらっしゃるので、
要は原寸大の最終確認図みたいなものだなと思っています。


私の場合は
くっきりかっきりモノを描く、というよりも
なにかそこにある流れや雰囲気を描こうとする。

すると、どうもこうした感じのモヤモヤっとした草稿になっていきます。








Instagramでも制作状況をUPし始めました。
どうにもこうした動画にはBGMがつけられません(笑)




2025.4.30

パネルが届きました

先日、パネルが届きました。

いつもお世話になっている地元の木工所さん。
この度も嬉しいおまけつきで恐縮しながらホクホクしています(笑)


このほかに大きなパネルも



パネルがくると、実際に描くべきものが目の前に現れる、
その感覚に身が引き締まるような、高鳴るような。


地面に絵を描いていた小さな頃。

その頃と変わらない楽しさがありながら
それでもタブローには、やはりの特別感があります。




気温も上がってきてカラリとした5月は
制作にもってこいの季節。

順調に進められますように。




今回描くかはわかりませんが、
出来たエスキースをいくつか。





公式サイトなので、
「どのSNSよりもここにたくさんUPせねば!」と思っております(笑)



2025.4.23

エスキース

やはりヤマを越えたようで、昨日も順調でした。

とってもホッとしています(笑)


なによりやっぱり、こうして描きたい絵が出てくることは
何にも代えがたい喜びです。



もうすぐパネルが届きます。
何枚かは実際に取り掛かれるようにしないと。

すこし大きめの作品用に




この朱色のようなオレンジがかった赤色は
「花」と聞いた時に思い浮かべて手に取る色です。

たぶん白と青によく似合う色だからかなと思っています。




昨日の終わり際に出てきた1枚





6月にはDMが出来ていないといけないので、

5月は最初の山場。


ヤマを越えてから山場が1つ、2つほどあって
だいたいいつも7合目ぐらいに谷があります(笑)


9月は拓けた場所と気持ちで、絵を見て頂けますよう
あせらずあわてずあきらめず、描き進めて参ります。



2025.4.21

エスキース

じわじわと作っています。

昨日、なにかヤマを越えた感じを覚えました。




いつも通り「線描」で形を見てから、そこに色を、と思っていましたが
今回は色から作っていくエスキースの方が良さそう。




描いては消して、描いては消して
そこに色鉛筆やパステルで見えそうなものを描いていたら
ふいっと着地点が出てきたような気分です。




たぶん使わないけれど、ヤマ越えの感じがしたエスキース





色々こねてこねてしてきたものが
なんだか上手く抜けていかないなぁという段階のあとに、
こうして「越える」ポイントがあって


こうなると早いです(笑)
おかげで昨日はわらわら出てきました。

まだ途中





いい感じで出る時はとにかく急いで出す。



そのうちの半分は「勘違い」とか「興奮状態」の盲目モードなので(笑)、
そこから落ち着いて精査。




アナログでもデジタルでもなんでも良いので
まずは目の前に出すのみです。



2025.4.13

エスキース

まだまだエスキース作り。

デジタルだけで済むわけではないので
この先、アナログでの仕上げがあるものの
まだまだPCにかじりついています。




こちらは今回1番大きくなるだろうサイズ、600×1500mm。

ヨコ長も好きですがタテ長も好き、
木を描こうかなと思っています。




もちろん私のことなので、まだどうなるかはわかりません(笑)

以前描いた「落月」の山月や武蔵野と同じような描き方でいけるかな、
そう思っているのですが。



小さな作品もぽつぽつと。





千花模様ミルフルール、押し花などなど
色んなイメージが広がっては消えて、浮かんでは流れて。


「見てみたい」

そう思えた時、
やっとそのイメージの裾に、指先で触れたような気持ちがします。

2025.4.9

エスキース

引き続きエスキース作り。

A4のコピー用紙に鉛筆で。
そんなラフなイメージ出しがいったん出来たので
前回同様、デジタルペイントで色つきのイメージ図を作っていきます。


今回は「花」がテーマ。
なんとなくいつもより早くイメージが浮かんでいる気がします。





とはいえ、今作っていっているデジタルペイントのイメージ図は
たぶん私以外には「なんのこっちゃ」の色のかたまり。


「見えない」と詰めていけないタイプ。

ぼんやりとでも、人には見えていなくても
まずは「見えそうなもの」を目の前に出すところから。




この茫洋としたイメージは真昼の野で、
歌人・河野裕子さんの短歌を片隅に想いながら作っています。


白萩に白萩こぼるるひるつかた遠くまで陽が照り追憶に似る  『歩く ー河野裕子歌集』 青磁社,2001



白秋の昼つ方。


中原中也『一つのメルヘン』のように、
秋の陽は遠く白く、ただただ明るい。


そんな景色が見えています。

2025.4.3

エスキース

ラフなイメージ図、エスキース作りをしています。


ぼんやりとしたイメージはまだ白紙に近い状態。

パネルのサイズを決めて、まずはその世界に枠組みを。

その枠組みの中でイメージをゆっくり起こしていく。






こうしたイメージ図を作っているときには
いつも切れ切れの言葉、語句が浮かんできます。



それはA3サイズの別紙に書き出しておいて。
この先、描き上げていくまでの拠り所・みちしるべ・錨のような、私の字引きとなります。


足が止まった時や立ち止まりたい時、
最初に沸き上がったイメージを振り返るための灯台。


ヘンゼルとグレーテルがそっと置いていく、白い小石のようなもの。



「そっと置いていく」と上品に言いましたが、実際はかなり乱雑(笑)


誰に見せるわけでもないので
脈絡もない「自分ことば」の走り書きだらけ。


“うすよう、花天蓋、はだれ、刺花、水中の刺青の美しさ
逍遥、ルドン、透過光、色粉、玄黄…”



途中、その言葉が気になって調べ物の道草を食っていると
あっという間に時間が経ちます。




我ながら呑気で夢見がちな時間だとも思いますが
描き進めていく最中、
ふとわけもなく振り返った時に見返す光は
静かにしっかりと灯っていてほしいと、そう思うのです。



2025.3.27

パネル発注

先週、パネルを発注しました。

前回の個展同様にレイアウトをある程度考えて、
必要なサイズと枚数を出して。


このサイズ出し、意外と神経を使います。

下見に行った際のメモ




普段は「とても横長」など、変形サイズに描くことが多い私。

お世話になっているパネル屋さんに細かなサイズを伝えてばかりです(笑)


画面の形で描きたいことが左右されるため
サイズ出しの時点で描く絵がちょっとイメージできていないと
発注のGOサインが出せない。



ところが今回は、珍しく既定サイズが多いレイアウトとなりました。
すこし大きめの作品も数点展示の予定です。








前回の絵画展「みずのあとさき」とは
一見すると雰囲気が異なりながら「底に流れるものは同じ」。


そんな展示になるのだろうなと考えています。