すごく撃たれることに遭遇した時、
どうやったらこれを描けるのか、そう考えてしまうことがあります。で、だいたいは「どないせぇっちゅうねん」になる。
関西弁はこういう時に便利です(笑)
友人とのやりとりの中で出てきた言葉です。
たまに、ふらりと旅行に行くことがあり
そんな時の候補にはよく「海辺」があがります。
私は雨女ではないと思うのですが
思い返せばなんとなく嵐の海を眺めることが多くあって
その紫に立ち込める雲が遠い海原から押し寄せる光景や
稲光が一瞬で天地を走り抜ける様子を見た時
どうやったらこれが描けるんだろう、と思います。
広い湖の上で、それ以上に広い空を見上げた時、
やむことなく押し流していく激しい川の白さを見つめる時、
夜更けに自宅へたどり着いて見上げた、なんでもない月や星の輝きに目を奪われる時、
どうやってこれをこのままに人に見せられるんだろう、と
途方もない気持ちに立ち尽くし
それでも目を離させてくれないその圧倒的な美しさに撃たれます。
なかば八つ当たりしたくなるこの光景たち。
つい、「どないせぇっちゅうねん」という便利言葉で中和してしまうくらい
どこかに自分をさらってしまう力があるのです。