
「夜」を描こうと、色々試しながら小さな作品を描いています。
きっかけは、一枚の紙が降ってくる光景。
コラムでも書いた「ひとひらの紙」の景色です。
ひとひら|夜に浮かぶ言葉と形
そして先日、2作するするっと描けました。


ラフな下図を作ったり、色々構図など考えて迫っていくこともある中で、
この「夜のひとひら」の連作はすんなり「絵」になってくれそうな感触。
小品なので「絵にしやすい」ということはあるんですけれども。
和紙の質感、絵肌、版画、切り絵、走り描きする花のような紙のような鳥、
ななめに差し込む光、懐紙、折花の天井画に描かれる花を包む紙、熨斗、などなど。
今まで気になっていた色々なものが、1つの作品に集まってくれるような、そんな気配も感じています。

と、こういう時にわーっと盛り上がるのは、何か見落としそうで怖いので(笑)、
いつものごとく「見ないふり」をしながら、1つ、1つ近付けていけたらなぁと思っています。
「夜」を描くには、あともう1つ、別の切り口も欲しく。

瞼をとじても「夜」にはならず、
毎日、日が暮れてようやくやってくるそれは、誰しもに訪れるもの。
そう思いながら、果たして本当に「誰にとっても同じ夜」なのでしょうか。
月みればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど
大江千里が「私一人だけに訪れた秋ではないのだけれど」と詠んだその奥底に、
だからこそ「途方もない一人の佇み」を感じるのは、私だけではないと思います。
そんなとりとめないことを考えつつ
『夜のひとひら』を描いています。
